原木椎茸について

瀬戸内海や宇和海に面した愛媛県は、海の恵みだけでなく里・山の恵みの豊富さも魅力のひとつ。中でも椎茸は、全国で消費されている乾椎茸の生産地で3番目に多い(H25年度)出荷量を誇る産品だ。県内全域で生産をされてはいるが、特に豊富な水量を誇る肱川流域を中心としたエリアは、原木となるクヌギも豊富に自生しており、長年に渡り無農薬・無肥料での生産に取り組んでいる。肉厚で食感もよく、香り高い愛媛産の原木椎茸は「一度食べたら菌床は食べられない」というファンも多く、指名買いにわざわざ産地まで足を運ぶ人もいるほどだ。さらに、選別場での管理も約30年前より徹底されているのは全国でも稀有な環境と言える。出荷時までどの生産者による椎茸なのかをきちんと判別できるように管理されている、という事実も未だに周知されていないのが現状なのだ。

安心は、愛情の証

気温や天気を見ながら、大きさ形などが出揃った絶妙なタイミングで収穫を行う。もちろん全てを手作業で行うため、収穫時期になると一家では手が足りず、ご近所総出でほだ場に出ることもあるそう。最盛期は2月〜4月頃で、この時期の椎茸を「春子」と呼び、全体の約8割を占める。

収穫したらできるだけ早く乾燥機にかける。灯油から薪まで燃料の様式は様々だが、それぞれの生産者が持つ乾燥機で程よい頃合いまで乾燥させる。最盛期は寝る暇もないほど、夜通し付きっきりでチェックをすることもあるそう。傘が大きく開いた「香信」などはスライスした状態で乾燥することもある。

記名をした段ボールを生産者が集荷センターに持ち込んだら、大きさ、厚み、形などの規格によって一つ一つ人の手で仕分けをする。その際にも複数の生産者のものを混在させることはなく、生産者ごとにどのサイズのものが何キロあったのか、箱ごとに記載し、その番号で誰の生産したものかを追跡できる仕組み。

仕分けの際の伝票を同封した上で、市場に運ばれて行く。その場で封入され、「愛媛県産」として店頭に並ぶものも。ちなみに選別場に運ばれてから出荷されるまで保管する倉庫も、温度や湿度が一定になるように保たれており、乾椎茸の質が劣化しないように細心の注意が払われている。

東日本大震災以降、食物の安全が不安視されているのは周知の事実。そんな中で、上記のように徹底した商品管理を行うのに加えて、椎茸を生育している「ほだ場」のセシウム検査も自主的に実施。その数値をホームページ上で公開している。